狙撃拳銃 M10
好評配信中の『金の銃 銀の銃』よりプロップガン、主役の銃をご紹介。
スミス&ウェッソン社の傑作リボルバー、『ミリタリー&ポリス』.38口径です。
初期のモデルは19世紀末に登場し、以後100年もの間、世界各国の警察官の相棒でありました。今だ現役のものもあるとか。
日本でも戦後に米軍から貸与、譲渡されたものがお巡りさんの腰に下がっていました。
三十八口径の代名詞と言えます。
映画『金の銃 銀の銃』は、童話「金の斧 銀の斧」をモチーフにしています。
まじめな木こりの普通の鉄の斧、それに値するまじめな警官の普通の拳銃として、このリボルバーをチョイスしました。
現在の日本の警察ではマイナーな銃となり、欧米の刑事モノでもめったに使われなくなり、かなり古くさい鉄砲だと言えますが、あえて主役の銃にしました。劇中の【神無山県警】では古くても良いものは大事に使用しているという設定です(予算不足……? 神奈川県警ではありません、念のため)。
映画『ゴッドファーザー』1972 のクライマックス では、警官に変装した殺し屋が使っていました。
『アンタッチャブル』1987 ではアンディ・ガルシアのストーン捜査官が、階段から転げ落ちる乳母車を押さえながら使いました。
どちらも、拳銃を使った狙い撃ち、強烈な印象を残す名狙撃シーンです。
さらに、どちらも階段の下から上を狙って撃つのでした!
このリボルバーが特に狙撃に向いているとは思えませんが、スラリと伸びた銃身が標的に向くと絵になりますし、珍しくもない三十八口径で必殺の弾丸を放つというのがインパクトがありますね。
『金の銃 銀の銃』でも、S&Wミリタリー・ポリスで狙い撃ち、拳銃ではギリギリの距離からの狙撃をやりました。
上記二作品は大好きな映画なのですが、真似しようとしたわけではありません。
撮り終わってから、同じ銃で同じようなことをしたと気づきました。
ちゃんと意識していれば、階段の下から上を撃って、オマージュになったかもしれませんね……。
写真のプロップガンを用意した時、ちょっと工夫をしました。
低予算の自主映画、突貫の撮影現場に携わる方々には面白い話になるかな?
次回に続きます。