モーション・ピクチャー・シューティング

MOTION PICTURE SHOOTING 自主映画制作記

UA

さらに新しいテーマを追加します。

衣装です。


【UA】といっても、

懐かしの製作・配給会社【ユナイテッド・アーティスツ】のことではないのですよ、映画ファンの皆様。


今をときめく【アンダーアーマー/Under Armour】の事であります。



昨年の今ごろだったと思います。


出演者の内田祥文君 に「衣装用でアンダーアーマー社のシャツを安く調達できまいか?」と

相談したところ、

さすが永遠の野球少年、内田クン「アンダーアーマーの会員限定シークレットセールの招待券があるよ」。

やはり今でも複数の草野球チームに所属し、メジャーリーグ本場観戦にも行っている男、

しっかりアンダーアーマー・ユーザーだったのでした。


私はお恥ずかしながら、野球のヤの字くらいしか知らない男。

なぜ“当時は”専門的ウェアのブランドだったアンダーアーマーの名を知っていたのかと言えば、

最寄駅までの途中にあるスポーツ用品店のショーウィンドウーを見ていたからなのでした。


そこは、店というよりショップという方が似合う構えで、確かアンダーアーマー社代理店のポスターが貼ってあり、その広告のカッコよさに目が留まっていたのでした。

アンダーアーマー・・・? 響きが良いな。 下に着ける鎧? ユニクロの機能性下着とは違うのか?」

本格的スポーツウェアを必要としていない私にはその程度の認識でした。


しかし、筋肉が浮き出るように肉体に密着する黒い下着のイメージは強烈にアタマに叩きこまれました。


で、

内田クンに連れられて会員限定セールへ足を運ぶこととあいなりました。


その時のアウェー感はかなりのものでした。

高校球児は勿論、普段からその製品の機能を必要とする人々、スポーツマン、アスリート、その関係者でゴッタ返していたのです。

聞いて回ったわけではないが断言できる、撮影用衣装を探しに来ているなんてのは私一人だったと。

そして私は自分の目のつけどころが正解だったと思ったのです。

「そう、こいう服が必要なのだ。ある用途に特化され、専門家が着る服。

無駄がなく、その機能を本当に必要とする人が纏う服」。

はい、あの時会場にいた人にはわかってもらえないと思いますが、

私だって必要としていたのです、本当に!

主演俳優の衣装として。


当ブログにお立ち寄りの方はお察しの事と思われますが、

去年の初夏といえば・・・

まだ主演の男優は決まっていなかったのであります。


着る人が見つかってないのに衣装を調達しにいっていたという、

この本末転倒!

内田君にも「俺が着る衣装だと思っていたよ・・・」と呆れられました。


私のアタマの中では明確だったのです。

筋肉が浮き出る、ノースリーブの黒いインナー。

世界中のスポーツ界どころか軍隊でも採用されはじめた、

激しく動く人の体をサポートすることに特化されたウェア。

そんなアンダーアーマーのシャツに“着負けしない”主演が必要であることには変わりない。


だから衣装を先に手にいれました、

かなりお安く。

サイズは私と内田君とほぼ同じ身長、

筋肉でひとまわりは大きい体格の人を“見つける”として、

内田君に試着してもらったうえで、ワンサイズ上の商品を2パターン購入しました。


その節はサンキュー、内田祥文殿!



後に私は無事、アンダーアーマーのシャツを着こなせる人に出会うことができました。

サイズもOK!

撮影前のリハーサルで主演の太三氏 に2パターンのどちらかを選んでもらいました。

選ばれたのは高校野球対応ステルス・モデルと呼ばれるもの。

黒地に【UA】のロゴが黒で縫い取られていて、目立たないものです。

高校野球では商標が見えてはいけない事に対応した製品。

結果、大正解だったと思います。

なぜなら・・・

いまじゃ女子高生のリュックにもUAマーク。

電車の中で頭からつま先までアンダーアーマーずくめの人を見かける具合・・・。

この一年たらずですっかりタウン・ウェアと化すとは…!



ある意味、先見の明があったのだと自分を励まします。

私が欲しかったのは専門家がフィールドで着こなすアイテムのイメージだったのに。

この記事も書くのが遅かったという事になりますかね?



衣装が先に決まっている。

こんな奇妙な制作の仕方をしている当映画であります。