映画『2M』
予告編
出演 鐘ヶ江佳太
三田るな
製作・脚本・監督 八栗広実
ジンバル MOZA Mini S
本編
CROSS PROCESS
クロスプロセスにハマっています。
もう二年ほど使っているカメラ、パナソニックのLUMIX、FZ300。
これで『金の銃 銀の銃』(4K)と『空巣狙い』(FHD)の撮影をしました。
豊富な機能をまだ使いきれていないと思っていて、クリエイティブコントロールモードというのを試しています。モノクロ、ブリーチバイパスなどの様々な画像効果を加えられます。
『金の銃 銀の銃』の女神の部屋のシーンはファンタジーという効果で、さらにフォグフィルターをかけて撮影しました。
一度も触っていなかったクロスプロセスの効果をたまたま試してみたら、最近こればっかりで撮っています。
川崎市の日本民家園で撮りまくってきました。
以下、クロスプロセスの4パターン。
この、ほどよさと言いますか、被写体の色味を活かしながら効果がかかる感じが気に入ってしまいました。
動画も撮ってきましたので、編集して後ほど公開します。
金 銀 銅
今回はTOKYO2020とは関係ありません(どうなるんでしょうね……)。
プロップガンの工夫について、三回目。
銃本体だけでなく、弾丸もよりリアルに。
リボルバーは、
シリンダーに込められた弾の先が前から見えます。
モデルガンやエアガンなどをプロップとして利用する場合、ここが本物っぽくない場合があります。
このS&Wのガスガンはカートリッジ式(薬莢にBB弾を詰めるタイプ)でしたので、こんな工夫をしました。
ホームセンターで銅色の鋲を買ってきて、カートリッジ先端にはめ込んだだけです。
(↓通販でも扱ってますね)
三十八口径は約9mmなのでジャストフィットです。
足割り部分を軽く広げてはめ込めば、バネのようなテンションがかかり、ポロポロ外れたりもしません。
そのままシリンダーに装填できました。
モデルガン、エアガンの仕様により同じようにはめ込めない場合もありますが、鋲の頭だけでも利用できそうです。
銅でまるまる覆われた弾頭は、いわゆるフルメタルジャケットというやつですね。
アメリカなどの警察では使わないようですが、日本の警察の銃ならリアルな演出になります。
バッチリとピントが合わなければ、それらしく写るかと。
このガスガン独特の銃口の部分はリアルではなく、ピントが外れていてもわかりますね……(もう一工夫が足りませんでした)。
長々と書いてきました。
最後に金の銃、銀の銃のプロップガンもご紹介しましょう。
金の銃は電動式エアガンに塗装をしたもの。
金属感を出すのに一苦労しました。一番豪華な金の斧に値するものですから、手間をかけました。
銀の銃はほとんど手間をかけていません。
このプロップはライターです(外観は某社ガスガンのコピーと思われます)。
昔、クレーンゲームの景品でゲットしたのですが、銀のメッキの光り方が気に入って、大事にしていたものです。
どちらも撮影で落としたり投げたりしてキズだらけです。
さて、
Golden Week特集という感じで記事を連投してみました。
Gun Weekになりましたね(笑)
予告編
鉄の斧
前回からの続きです。
真面目な木こりの鉄の斧、S&W M10 ミリタリー&ポリスのプロップは、マルシン工業製の古いガスガンを利用しました。
ちょっと光の加減が違うのですが、
上の素の状態では黒いプラスチック製であることがわかりますが、
下のプロップ状態では青黒い鋼鉄製に……見えませんか?!
これは作業時間30分くらいで、表面を仕上げ直しただけです。
二本のマーカーで塗っただけです。
まず油性の青で塗り、
その上から水性の黒で塗る。
以上!でした。
油性のインクのヌメッ、ギラッとした感じが肝です。
鋼鉄に油が引いてある感じですね。
油性の青にさらに油性の黒を重ねても良いのですが……
上の銃、
今年撮影した『2M』のプロップガン(こちらもS&W)ですが、ちょっと紫っぽくなっています。写真では伝わりづらいですが。
ここらへんの色味は、地のプラスチックの色、インクの色などの組み合わせで変わってくると思います。
あと、よく見るとわかりますが、塗る時は太い芯でサッサとやらないと、塗り跡が残ります。そして4K撮影だとバレますね。
最初はあまりに汚くなったので、マニキュア落とし、エナメルリムーバーで拭いてやり直しました。リボルバーの方のグリップにご注目ください。茶色のプラスチックですが、一度紙ヤスリをかけ、黒いマーカーで塗りたくり、エナメルリムーバーで落としています。ヤスリの細かいキズにだけ黒インクを残し、木目っぽくしてあります。
この写真は
『射手座』2017 の時のスチールです(本編ではこんなシーンはないのですが 射手座 | シン・シネマ)。
エアガンのグロック17がプロップで、確か油性の青と油性の黒でスライド(銃の上半分)を塗った記憶があります。いい具合に街灯の光を反射しています。
ご存知、グロックは下半分が鉄じゃない、プラスチックのピストルとして有名です。いまでは鉄の地肌がほとんどない鉄砲も珍しくなくなりました。プラスチック製のオモチャのままでもリアルかもしれません。それでもこうやって一工夫すると、より本物っぽく見せることができるのではないでしょうか。
マーカー一本100円×2、お茶するくらいの時間でプロップガンを、ちょっとグレードアップです。
私がなんでこんな方法を試しているのかといえば、
それは小道具専門のスタッフがいるわけでなく、
かといって小道具を安易に使いたいわけでもなく、
ただ、撮影前の準備を進めると、どうしても小道具が後回しになってしまう……という状況ばっかりだったからです。
『金の銃 銀の銃』の時も『2M』の時もクランクイン前日にマジックで塗っていました。
私の制作体制を見直すべきかとも思いますが、この突貫小道具メークアップ方法がどなたかの、小規模の制作現場に携わる方のお役に立つかもと考えました。
もう少し、続けます。
狙撃拳銃 M10
好評配信中の『金の銃 銀の銃』よりプロップガン、主役の銃をご紹介。
スミス&ウェッソン社の傑作リボルバー、『ミリタリー&ポリス』.38口径です。
初期のモデルは19世紀末に登場し、以後100年もの間、世界各国の警察官の相棒でありました。今だ現役のものもあるとか。
日本でも戦後に米軍から貸与、譲渡されたものがお巡りさんの腰に下がっていました。
三十八口径の代名詞と言えます。
映画『金の銃 銀の銃』は、童話「金の斧 銀の斧」をモチーフにしています。
まじめな木こりの普通の鉄の斧、それに値するまじめな警官の普通の拳銃として、このリボルバーをチョイスしました。
現在の日本の警察ではマイナーな銃となり、欧米の刑事モノでもめったに使われなくなり、かなり古くさい鉄砲だと言えますが、あえて主役の銃にしました。劇中の【神無山県警】では古くても良いものは大事に使用しているという設定です(予算不足……? 神奈川県警ではありません、念のため)。
映画『ゴッドファーザー』1972 のクライマックス では、警官に変装した殺し屋が使っていました。
『アンタッチャブル』1987 ではアンディ・ガルシアのストーン捜査官が、階段から転げ落ちる乳母車を押さえながら使いました。
どちらも、拳銃を使った狙い撃ち、強烈な印象を残す名狙撃シーンです。
さらに、どちらも階段の下から上を狙って撃つのでした!
このリボルバーが特に狙撃に向いているとは思えませんが、スラリと伸びた銃身が標的に向くと絵になりますし、珍しくもない三十八口径で必殺の弾丸を放つというのがインパクトがありますね。
『金の銃 銀の銃』でも、S&Wミリタリー・ポリスで狙い撃ち、拳銃ではギリギリの距離からの狙撃をやりました。
上記二作品は大好きな映画なのですが、真似しようとしたわけではありません。
撮り終わってから、同じ銃で同じようなことをしたと気づきました。
ちゃんと意識していれば、階段の下から上を撃って、オマージュになったかもしれませんね……。
写真のプロップガンを用意した時、ちょっと工夫をしました。
低予算の自主映画、突貫の撮影現場に携わる方々には面白い話になるかな?
次回に続きます。
『金の銃 銀の銃』ポスター
* 予告編
www.youtube.com
『2M』完成
スマートフォンだけで撮影したショートムービー、『2M』が完成しました。
バイオハザードが発生した街で、逃亡した女を探し出した男。
だが二人は常に2メートル離れていなければならない……
この映画の制作は、
ローアングル、ワンシーンワンカット、シネスコ画面で撮るという漠然としたコンセプトから始めました。
正月に新作鑑賞のために行ったイオンシネマで、座席からスクリーンを眺めていたら、
画面の両端に立つ女と男、二人の間には一定の距離があり、縮まらないという絵が閃きました。
映画館様様です。
ネットで男女2名のキャストを募集。
近未来SFの世界で、生きた人間を体現できる方々に出会えました。
いつもは細かくカットを割るのを好む私が、長回しに初挑戦。
約12分のワンシーンワンカットは二人の俳優の力に支えられて成功しました。
緊急事態宣言下の都内で撮影しましたが、総勢三人で、気を配りながら、無事に終えました。
スマートフォン撮影ならではの画面も考え得る限り盛り込んで、
先月末のコンテスト締め切り直前に完成させました。
映画の父、D.W.グリフィス監督が述べたという言葉を思い出しながら、創り上げました。
映画とは 女と銃だ