モーション・ピクチャー・シューティング

MOTION PICTURE SHOOTING 自主映画制作記

極私的BLADE RUNNER‐上


あと4年じゃないか・・・・AD2019!



今回は、

初めてラッシュフィルムの映像を公開いたします。

しかし、すんなりとは見せず、思い入れドッサリのオッサンの昔話つき(やっぱり)となります。

しかも(やっぱり)長くなるので2回に分けます。

・・・どうかお付き合いくださいませ。



当映画の主要ロケ地は東京都中央区は築地、月島、勝どき地区となります。

隅田川下流の古き街並み、シーサイドのハイテク・シティを舞台としております。


ここらへんは、上京するまで名前も知らない街でした。

出演者で大学以来の友人、内田クンに連れて行かれました。

東京出身の内田君には子供の頃から馴染みの場所であり、もんじゃ焼き愛好家として庭同然の

地区だったようです。

それ以来、もんじゃに付き合うという程度で通っていました。


30歳前の頃だったと思います。

夜、仕事先からクルマで戻るときに勝鬨橋を渡ったのです。

勝どき方面から築地側に走っていました。

窓からなにげなく夜景を見て、

ブレードランナーだっ!!!」と心の中で叫びました。


SF映画の中の、2019年のロス・アンジェルスの光景を目の前に再現された気がしたのです。

(同じように感じた方もいらっしゃるようで、リンク貼らせていただきます。素晴らしい写真 です)



ブレードランナー』は1982年のアメリカ映画。

SF映画の金字塔。もはや金を超えるプラチナのピラミッド。

「ハードボイルドとはなんぞや」と問われたなら「この映画の最終版を観ろ」と言えば良い、

フィルム・ノワールの傑作でもある。人間の真実を探りにゆく探偵の、不朽の物語。


世の中のクリエイターと呼ばれる人たち(映画関係に限らず)は、

ブレードランナーに出逢ってしまった人とそうではなかった人】に

二分されると言っても過言ではないでしょう。

現在もなおフォロワーを産み出す圧倒的影響力を誇る一本の映画。





転校生。

思い出すのは彼の事。

ちょっと都会からド田舎の中学校にやってきた、オシャレでモテて、マニアックなT君。

彼はある日“まだ誰も知らない”マンガの単行本を教室に持ってきました。

時は週刊少年ジャンプが花ざかり。キン肉マン北斗の拳キャプテン翼ドラゴンボール連載中、

まさに群雄割拠、毎週月曜は大量の雑誌がクラスに散らかっていました。


T君のマンガはジャンプコミックスよりデカかった・・・。出版社も聞いたことのないところだった。

ページを開くと、コマの外は専門用語の解説でビッシリ埋まっていた。

映像並みの情報量の多さにめまいがした。

「なんだこのマンガ?!」

当時マジメにプロの漫画家を目指していた私を一番驚かせたのは、そのマンガが

雑誌連載を経ず、いきなり単行本として発表されたものである事でした。

当時はそれだけで衝撃的でした。

後に『攻殻機動隊』を描く士郎正宗氏のメジャーデビュー作『アップルシード』(1985~)。

T君は築100年、田んぼの真中の木造の学び舎に、サイバーパンクSFを持ち込んだのです。



ブレードランナー』は公開されて2~3年経っていました。

日本での封切り上映はかんばしくないものだったようです。

田舎の劇場までまわってきたのかも怪しい。町中にポスターが貼られていた記憶はありません。

でも、サイバーパンクという新しい言葉とともに、その“匂い”は伝わってきていました。

「きっと、スゴイ映画だ」という予感。

私やT君のような田舎の中学生にまで、影響力は伝わり始めていたのです。



「やっと観れるぞ、ブレードランナーが!」

テレビ地上波での放映予告を見て、学校ではしゃぐT君と私。

(我が田舎では民放の放送が3チャンネルしかなかった時代なので、都会よりは延々待たされていたのかもしれません。ちなみに、レンタルビデオ普及はまだ先です)。

しかし、放映日を確認して途方にくれることになるのです。

私などは真剣に悩みました。

「行かないことも考えよう」。

二人が初めて『ブレードランナー』を観れるはずの日時は修学旅行の初日の夜だったのです。 

                                                                        < つづく >


さて、
本題!(?)
極めて私的なブレードランナー
A.D.2019 L.A.の私なりの再現。
当映画はSFではありませんが。
最小の映画撮影用フィルム、8mmで記録したものです。
超簡易テレシネ版につき、オリジナルの70%程度の画質です。
ガラガラというのは映写機の回る音であります。
実景シーンのラッシュより、
partⅠ。